人気ブログランキング |

あそびをせんとや ~あそびっこ~

wkikyoko.exblog.jp

本を読んだり、舞台を観たり、後は何をしようかな?実は虫好き。変なもの好き。

ブログトップ

鳥越先生の講座2

子ども読書推進ボランティア活動支援事業
上級講座 「子どもの本のあゆみとこれから」

①09月28日 講義「子どもの本のあゆみ・Ⅰ」 講師:鳥越信氏
②10月19日 講義「子どもの本のあゆみ・Ⅱ」 講師:鳥越信氏
③11月09日 演習「残していきたい本」 講師:福岡県立図書館員
④12月07日 討議「子ども読書推進活動のこれから
                  ・子どもへの本の渡し方」 講師:鳥越信氏


 前回は明治~1970年代までの児童文学の歩みについて。今回は1980年代~現在までの児童文学の歩みと、絵本の話を駆け足で。話したいことが山ほどある鳥越先生。時間いっぱいギリギリまでたくさんお話をしてくださいました。

戦後60年の総括について
2005年に児童文学戦後60年の総括を各方面がしていたが、松谷みよ子らが未明伝統からの解放した後、更なる歴史的な転換点はなかったのではないか。もちろん、那須正幹(「ずっこけ」シリーズ)・国松俊英・後藤竜二(「天使で大地はいっぱいだ」)など画注目されるし、鳥越氏自身はさねとうあきら(「地べったこさま」)を推してはいるが、それが児童文学界の総意となるまでにはない。

それはなぜ?
 一番の理由は価値観の多様化である。児童文学が描く世界は様々に広がり、理想主義的児童文学の衰退し、タブーも次々に崩壊していった。

タブーの崩壊
 両親の離婚・家出・自殺・性的な事柄・残虐な場面など不文律として児童文学のタブーと言われていたが、それらが次々と描かれるようになってきた。魚住直子「超・ハーモニー」、西田俊也「両手のなかの海」ではそれぞれに家出していた兄や父が女性として戻ってくるという。土谷美智子「たすけて!おかまさま」のおかまさまは子どもを助ける神様のことだが、「おかま」という言葉が堂々と題名になる。糸川京子「あっ!赤ちゃんが生まれた」では小学低学年の姉弟が母の出産に立ち会う。那須正幹「ご家庭でできる手軽な殺人」「お江戸の百太郎」などでは殺人を扱っている。子どもによる子どもの殺人はフィクションの世界より現実が先行しているが、やがてそのタブーもなくなるのかもしれない。

まさに混沌としているボーダーレスの時代
 以前は小川未明、坪田譲治なども大人の文学を目指し挫折した人が児童文学にいったのという考え方があったが、今では優れた児童文学を書く人が大人の小説の世界へ進出していると行ってもいい。鳥越氏は児童文学のほうが難しいだろうという。自分では児童文学は書けない。大人の小説なら書けるだろう、書いて賞をとる自身もあるからちゃんと授賞式の挨拶まで既に考えている!(笑)と。今はヤングアダルトの分野も盛んでまさにボーダーレスの時代である。

最近の創作文学でお薦めのものは?
海外作品では、ルイス・サッカー:「穴」
        メーガン・ウェイレン ターナー:「盗神伝」シリーズ
        蕭育軒:「乱世少年~チアンチアンの大冒険」

日本の作品では、那須田淳:「ペーターという名のオオカミ」
         上橋菜穂子:「獣の奏者」・「守人」シリーズ完結

by wkikyoko | 2007-10-19 23:57 | 図書V(交流・学習etc)