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あそびをせんとや ~あそびっこ~

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本を読んだり、舞台を観たり、後は何をしようかな?実は虫好き。変なもの好き。

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カザフの刺繍

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 こんな布を見たことがありますか?遊牧民の住まいであるゲルに飾られている刺繍の壁掛け布です。地布が見えなくなるくらいにびっしりと刺繍が施されています。モンゴル国に居住するカザフ民族が用いる代表的な刺繍技法のひとつで、カザフ語で「ビズ・ケステ」と言うそうです。縦約120cm×横約180cmの布に刺繍をして、その周り三方を20cm程の布で縁取りをしてあります。下の部分は刺繍もないし、断ちっぱなしで縁の始末もしてありませんが、これが本来の形。わざと完成させないままになっています。どうして未完のままにしておくのかというと、イスラム教では完全なものを作れるのは神のみということになっているので神に対する畏敬の念から不完全な状態にしておくという説や、こういった壁掛け布は家族のために作られるので家族に対する思いは尽きるものではないという意味を込めてあるという説などがあるそうです。

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 というわけで、ビズ・ケステを体験するワークショップに参加しました。主な道具はかぎ針と木枠、材料は地布と刺繍用の糸です。かぎ針は手作りで、細い鉄の棒やスプーンなどを研いでいって鋭いかぎ針にするのだそうです。木枠もしっかりとしたものでないといけないそうで、私達が使ったものはワークショップ用に作られた小型の物でした。地布はデニム生地やコーデュロイなど、糸は刺繍糸を使いますが、道具にしろ材料にしろこれでないとダメというのではなく、手に入るものを使って作るのが遊牧民の常だそうです。あるもので手早く作るのに適した刺繍の技法がビス・ケステってことですね。まずは木枠に布を張ることから始めます。布をはじくとドンドンと太鼓のような音がするくらい強く張るのが大事です。

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 そして、ハープを抱えるみたいに木枠を抱いて、ドスドスとかぎ針を布に挿して、くさり編みを編む要領で刺繍していきます。慣れるとドスドスと小気味よい音とともにくさり編みの線が浮かんでくるはず…です。まあ、見るとやるとは大違いで、なかなか思うようにはできないのですが、どうかした拍子に調子よく針が進むこともありました。針が手に馴染むまで練習が必要かな。もしくは道具を自分の使い勝手のいいように調整するとか。

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 ワークショップの先生の上着はビス・ケステで飾られた布をラップコートにリメイクしたもの。刺繍が本当にきれいでした。肩のところには1992って数字も刺繍されていて、作られた年を表したものでしょうか。でも現地では壁飾りの布を洋服に仕立てるってことはなくて、「まあ、こんなことして着てるの?」って目で見られることもあるんですって。

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 ワークショップに参加したNさんが着てみました。薄い感じなのにどっしりと重さがあるのは、やはりびっしりと施された刺繍のせいなんでしょうね。刺繍にまつわるお話を聞いたり、あれこれおしゃべりしたりで、3時間のワークショップはあっという間に終わりました。カザフの刺繍の代表的なパターンをひとつ仕上げるを目標としたワークショップでしたが…実はほんのちょっと進んだだけでした。どんなのが出来上がったかという報告は、もうちょっと待っててね。
by wkikyoko | 2016-01-16 23:37 | その他の活動